■ワークショップの概要

開催期間:2020年11月16日・24日・30日の3日間
場所:九州工業大学 柴田智広研究室
※九州工業大学 柴田智広研究室は、福祉領域の人間中心AI/ロボティクスを専門としています。
昨今、医療・介護領域でも、ロボットや補助具などでパーソナライズが可能である3Dプリンター活用のニーズが高まっています。
今回のワークショップでは、大学院生の方を対象に、福祉・介護用ロボットの研究開発に応用できる、
3Dプリント活用のための設計技術および造形技術について学んで頂きました。
また、今回のワークショップでは汎用性の高いHEBI Roboticsのアクチュエーターと、3DPで製作したアタッチメントの組合せが軸となりました。
全三日間のうち初日は、研究室と共同でロボット開発を行う福祉施設の方などから直接ヒアリングを行い、課題やアイデアを引き出しました。
それらを元に、今回の開発の3Dプリンターがどのように活用できるかを検討し、最終日までに開発とプロトタイピングを行いました。
■共同開発者からのヒアリングの様子

オンライン会議を利用して、遠隔地にいるメンバーと共に福祉・介護現場の悩みのヒアリングを行い、
プロトタイプの検討を進めました。
介護現場は、身体的にも負担の大きい作業が多くあります。
その中で、介護士の方、若しくは介護を受ける方の動きの補助ができるロボットや
それぞれの方の体形に合わせたカスタム部品製作の必要性など、
介護現場ならではの悩みや、3Dプリンターが活用できそうなアイデアが点在しています。
■大学院生へのレクチャーの様子

ヒアリング後は、実際に3Dプリンターで効率よく造形するための、設定方法や3Dモデリング技法をレクチャーです。
海外からの留学生も多いこちらの研究室でのレクチャーでは、日本語と英語の両方が混在しています。
その後、2チームに分かれ、ヒアリングを元にイメージしたプロトタイプの製作を開始しました。
■ワークショップで製作されたプロトタイプ
今回のワークショップでは、2チームそれぞれ「メタマテリアル技術を用いたエンドエフェクター」、「高強度材料3DPによる電動車椅子ロボットアーム取り付け架台」のテーマで開発を行いました。
最終的にそれぞれのチームは、3DPの利点を活かしたそれぞれのプロトタイプを完成させることが出来ました。
■メタマテリアル技術を用いたエンドエフェクター
メタマテリアルとは、簡単に言えば「構造で材料の物性を操作する」と言った設計手法で、複雑な形状を実現できる3DP技術とも非常に相性の良いものです。
(参考:Nature Architects のメタマテリアルを用いた3DP造形物)
この設計技術を用い、柔軟かつ高強度なCFRPCで3DP造形することによって、使用者の動きを補助し、やわらかに様々なものを掴めるエンドエフェクターを試作しました。
■高強度材料3DPによる電動車椅子ロボットアーム取付架台
こちらのチームでは、電動車椅子にHEBI Roboticsを使用したロボットアームを取り付けるためのアタッチメントの開発をテーマとしています。
3DPでは、内部を中空にして造形が出来ることと、軽量で高強度なCFRPC材料を用いることで、金属にも匹敵するパーツを試作することが出来ました。

装備されたアームを使い、手の不自由な方でも離れた位置にあるものを取ることが出来るようになります。
今回の3Dプリンター活用ワークショップでは、介護現場での2つの実用的な活用法を探り、3DPならではの利点を生かし、短期間で開発を行うことが出来ました。
Booleanでは企業様・大学様・研究機関様などにむけて、3Dプリンターに対する深く幅広い知見を活かし、最適な開発試作のご相談や、3Dプリンターに関する講義・勉強会を実施しております。
3Dプリンターに関する知識や技術についてご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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